なぜ「シンプル経路比較」を作ったのか——乗換案内の「経路を見比べたい」だけに、月額は払いたくなかった
乗換案内アプリで経路を調べるとき、私はよく「もう一つの行き方と比べたい」と思います。少し早い電車に乗ったらどれくらい変わるのか、乗り換えを一回減らすと運賃はいくら上がるのか、別の駅を経由したほうが結局早いのか——。
ところが、普段使っているアプリで複数の経路を並べて見比べようとすると、有料プランへの案内が出てきます。とても便利な機能だとは思うのですが、私の使い方では月に数えるほど。課金するほど頻繁ではないけれど、時々はどうしても比べたい、という中途半端な需要でした。
無料でもできること、できないこと
無料のままでも、一つの検索に対する候補(早い順・安い順など)はいくつか表示されます。ただ、それらはタブや並べ替えで切り替えて見るもので、同時に横並びにはできません。
そして何より不便だったのは、別々の検索どうしを比べられないことです。たとえば——
- 出発時間を変えて検索した結果どうし
- 経由地を変えて検索した結果どうし
- そもそも出発地や行き先が違う検索どうし
こうした「一度の検索では出てこない組み合わせ」を見比べたい場面が、私にはよくありました。けれど、これは有料プランでも難しいことでした。
手元にある「共有テキスト」に気づく
あきらめかけていたとき、あることに気づきました。多くの乗換案内アプリには、調べた経路をテキストで共有する機能があります。出発・到着の時刻、所要時間、運賃、乗り換え、経由する路線——必要な情報は、実はそのテキストの中にひととおり揃っているのです。
それなら、経路検索そのものを作る必要はありません。自分で共有したテキストを貼り付けて、並べて整えるだけの道具があればいい。時刻表のデータを持つ必要も、どこかのサーバーに問い合わせる必要もない。そう考えると、ずいぶん身軽に作れそうに思えました。
「見比べる」ことだけに絞ったアプリ
そうしてできたのが シンプル経路比較 です。使い方は、乗換案内アプリで経路を共有してテキストをコピーし、貼り付けるだけ。あとは自動で表に並びます。
- 複数の経路を横並びで比較。所要時間・運賃・乗り換え回数・歩く時間を一目で見比べられます
- 最速・最安・乗換少・徒歩少にバッジが付くので、どれが何に優れているかがすぐわかります
- 経由駅も表示するので、どのルートを通るのかがひと目で区別できます
- 出発時間違い・経由違い・行き先違いなど、別々の検索結果を混ぜて貼っても大丈夫です
- 登録不要・広告なしで、貼り付けた内容は端末の中だけで処理されます
定期券をお使いの場合に「定期区間を除いた実質の追加負担」を表示するなど、元のアプリでは目立たない切り口も少しだけ足しました。逆に、経路検索や予約のような大きな機能は持たせていません。目的は「手元の経路を見比べること」ひとつなので、それ以外は要らないと判断しました。
コピーと貼り付けも、なくしました
公開したあとで、自分で使いながら気になったことがあります。毎回「共有」→「コピー」→アプリを開く→「貼り付け」の四手が要ることです。
iPhoneをお使いなら、「ショートカット」を一つ入れておくことで、乗換案内アプリの共有メニューから直接この画面に経路を追加できます。用意したショートカットはアプリの画面内から入手でき、仕組みと作り方はiPhoneの共有メニューからWebアプリを開くに書きました。
使ってみてください
シンプル経路比較 は登録不要・無料で、ホーム画面に追加すればアプリのように使えます。「わざわざ課金するほどではないけれど、時々は経路を見比べたい」——そんな方に、ちょうどよく届くとうれしいです。
なお、対応しているのは今のところ特定の乗換案内アプリの共有テキストで、その形式は公式に決まったものではないため、将来読み取れなくなる可能性もあります。その場合も、読み取れなかった内容はそのまま画面に残す作りにしています。
筆者:yokafolio。「シンプルなアプリと、余白のある暮らし。」をテーマに、登録不要で開いてすぐ使えるWebアプリを作っています。