なぜ「シンプル生活費精算」を作ったのか——多機能な家計簿アプリで、結局使っていた機能はひとつだけだった
二人で暮らしていると、毎月そこそこの回数「どちらかが立て替える」場面が出てきます。食費、日用品、光熱費。これを管理するために、しばらく二人で共有できる家計簿アプリを使っていました。
よくできたアプリでした。レシートを画像で取り込めて、食費・光熱費といった項目を選んで分類でき、収入も入力できる。支出の内訳や、収入と支出の推移をグラフで見られる——家計簿として必要そうな機能はひととおり揃っていました。
便利なのに、使っていなかった機能たち
ところが、しばらく使ってみて気づいたことがあります。用意されている機能の多くを、自分は実際には使っていなかったのです。
- レシート取り込み:金額を読み取ってくれるのは有料プランの機能で、そこまで課金する気にはなれず、無料のまま「とりあえず画像だけ保存」していました。でも、その画像を後から見返したことは、ほとんど一度もありませんでした。
- 項目別の内訳・収支の推移:グラフ自体は面白いのですが、それを見て「じゃあ来月は食費を減らそう」と行動を変えたことは一度もなかったのです。見て「へえ」で終わっていました。
便利そうに見えて、自分の暮らしを何も変えていない機能。整理してみると、そういうものが意外と多いことに気づきました。多機能さは、必ずしも自分の役に立っているとは限らない——これがいちばんの発見でした。
本当に必要だったのは「精算」だけだった
では、自分がこのアプリに求めていた核心は何だったのか。突き詰めると、たった一つでした。
二人で、生活費を公平に負担すること。
誰がいくら立て替えたかを記録して、月末にどちらがどちらへいくら払えば貸し借りがゼロになるか——欲しかったのはそれだけです。内訳のグラフも、レシートの画像も、収支の推移も、この目的には要りませんでした。
それなら、その一点だけをまっすぐに叶える道具を作ろう、と思ったのが出発点です。作るうえで自分に課したのは、「あったら便利かも」を足さないこと。便利そうな機能ほど、使わないまま画面を重くしていくのだと、身をもって知ったからです。
「精算」に振り切ったアプリ
そうしてできたのが シンプル生活費精算 です。できることは絞りました。
- 相手は一人だけ(二人専用)。人数を選ぶ手順すらなくす
- 負担割合を指定できる。きっちり折半だけでなく、収入差などに応じて「多めに負担する」も選べる
- 立て替えを記録すれば、月末にどちらがいくら払えばいいかが自動で出る
- 登録不要・広告なしで、開いてすぐ使える
家計簿アプリが持っていた「内訳」も「推移」も「レシート保存」も、あえて入れていません。目的は生活費を公平に負担することひとつなので、それ以外は自分にとって不要だと判断しました。二人暮らしはもちろん、友人とのシェアや親との立て替えなど、「特定の相手と継続的に精算する」場面に向いています。
使ってみてください
シンプル生活費精算 は登録不要・無料で、データはブラウザ内にのみ保存されます。ホーム画面に追加すればアプリのように使えます。多機能な家計簿アプリの、使っていない機能に少し疲れていた方は、ぜひ試してみてください。
筆者:yokafolio。「シンプルなアプリと、余白のある暮らし。」をテーマに、登録不要で開いてすぐ使えるWebアプリを作っています。