FIRE達成は何年後?「平均利回りで計画」すると2回に1回は間に合わない

FIREを目指して積立をしていると、必ず一度はやる計算があります。

「現在の資産1,000万円、月10万円積立、利回り5%なら……約16年で5,000万円に到達

積立シミュレーターにありがちな、固定利回りの複利計算です。私もこの計算で「50歳ごろにはFIREできそう」と考えていました。

でも、この「16年」という数字、実際にその通りになる確率はどれくらいなんでしょうか?

平均通りに増える年なんて、ほとんどない

利回り5%といっても、実際の相場は毎年5%ずつ淡々と増えるわけではありません。+20%の年もあれば−15%の年もあり、「ならすと5%くらい」というだけです。

そこで、リターンのばらつき(リスク)を織り込んだモンテカルロシミュレーションで確かめてみました。ランダムな相場の未来を1万通り生成し、それぞれのシナリオで「5,000万円にいつ届いたか」を数えます。

前提条件は次の通りです。

結果:「計画通りの日」に届いている確率は約50%

まず本題の数字から。固定利回り計算が示す到達時期に、実際に資産が届いている確率です。

月積立額 固定利回り計算の到達時期 その時点で実際に届いている確率
月5万円 56.1歳(21.1年後) 47%
月10万円 50.8歳(15.8年後) 50%
月15万円 47.7歳(12.7年後) 50%

ほぼコイントスです。 考えてみれば当然で、固定利回り計算は「平均くらいのシナリオ」を描いているので、現実はその前後に半々で散らばります。「16年後にFIRE」という計画は、「2回に1回は16年後に間に合っていない」計画でもあるわけです。

到達時期は「点」ではなく「幅」で見る

では、どれくらいの幅で散らばるのか。1万通りのシナリオから、上振れ(運が良い方から25%)・中央値・慎重ライン(90%のシナリオで到達済み)を並べてみます。

月積立額 上振れ(25%) 中央値 慎重ライン(90%)
月5万円 50.7歳 56.8歳 76.6歳
月10万円 47.0歳 50.9歳 63.0歳
月15万円 44.8歳 47.7歳 56.3歳
5,000万円に到達する年齢の「幅」(35歳・現在資産1,000万円から積立)
月5万円積立
56.8歳
月10万円積立
50.9歳
月15万円積立
47.7歳
40歳50歳60歳70歳80歳

上振れ〜慎重ラインの幅中央値

積立額を増やすほど、到達時期は早まるだけでなく「幅(不確実性)」も縮む。帯の左端が上振れ(25%)・右端が慎重ライン(90%)。

月10万円のケースで見ると、中央値は51歳ですが、運が悪い側に転ぶと63歳。「50歳でFIRE」のつもりが、12年ずれる可能性が現実的な確率(10%)で存在します。

そしてもう一つ、表から読み取れる大事なことがあります。

積立額を増やすことは、到達を早めるだけでなく「ブレ幅を縮める」効果がある。 月5万円だと上振れと慎重ラインの差は約26年ですが、月15万円なら約11年まで縮みます。積立額の上乗せは、単なる前倒しではなく「計画が狂うリスクへの保険」でもあるんです。

実際どう使うか:私の考え方

シミュレーションをいじりながら、私はこう整理しました。

  1. 中央値でざっくり目標時期を持つ(月10万円なら51歳ごろ)。
  2. 慎重ライン(90%)を「最悪ここまでかかる」として知っておく(63歳)。この差を知っているだけで、下落相場でも「想定の範囲内」と思える。
  3. 早めたいなら積立額を増やす。リターンを高く見積もり直すより、よほど確実に効く。

「何年後にFIREできるか」への正直な答えは、1つの数字ではなく「◯歳〜◯歳のあいだ、たぶん◯歳ごろ」という幅なんだと思います。

自分の数字で幅を見られるツール

この検証に使ったシミュレーターは、無料のWebアプリとして公開しています。

シンプルFIRE計画

「資産をつくる」タブに現在資産・積立額・目標金額を入れると、到達確率の推移と「上振れ/中央値/慎重」の3つの時期が表示されます。積立額をライフステージで変える(例:子どもの教育費期間だけ減らす)フェーズ設定にも対応しています。登録不要・データはブラウザ内にのみ保存されます。

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前提と注意点


筆者:yokafolio(30代・FIREを目指して積立中)。「余白のある人生」をテーマに、シンプルな家計・資産ツールを作っています。

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