なぜ「シンプルFIRE計画」を作ったのか——平均値では安心できなかったから

FIREを目指して、毎月インデックス投信を積み立てています。当事者としてずっと引っかかっていたのが、世の中のFIRE計算ツールが「平均値」しか教えてくれないことでした。

「年5%で運用すれば、○年後に目標達成」「4%ルールなら資産は減りません」——どれも一つの前提を置いた、たった一本のシナリオです。でも実際の相場は、平均5%だとしても、良い年と悪い年がバラバラの順番でやってきます。その順番次第で、同じ平均リターンでも結末はまるで変わる。これが取り崩しの怖いところだと知ってから、「平均○年で達成」という数字がどうしても信じきれなくなりました。

知りたかったのは「何%の確率で」だった

欲しかったのは、こういう答えです。

こういう「確率」や「ブレ幅」は、平均値の電卓では絶対に出てきません。出すにはモンテカルロ法——ランダムなリターンの並びを何千回も試して、結果の分布を見る——が要ります。

最初は自分でスプレッドシートを組んでいました。乱数でリターン列を作って、資産推移を計算して……というやつです。ただ、これがとにかく面倒でした。積立額を変えるたび、期待リターンを一つ動かすたびに、シートをいじって計算し直す。「ちょっと条件を変えて試す」という一番やりたいことが、一番おっくうになってしまっていました。

「開いてすぐ試せる」道具にしたかった

それなら、条件を入力したら1万回のシミュレーションが一瞬で回って、成功確率とブレ幅がグラフで出る——そういう道具を自分用に作ろう、と思ったのが出発点です。

作るうえで決めていたことが一つあります。機能を詰め込まないこと。道具は、機能が増えるほど「使う前に身構える」ものになっていきます。だから、

この方針で仕上げたのが シンプルFIRE計画 です。「資産を貯める」タブで積立計画の到達確率を、「資産で暮らす」タブで取り崩しの生存確率を、それぞれ確率として見られます。

作ってみて、いちばん変わったこと

自分の数字で確率を見られるようになって、いちばん変わったのは意思決定の質でした。

たとえば「4%ルールで完全リタイア」を自分の条件で回してみたら、100歳まで資産が持つ確率は思っていたよりずっと低い——という結果が出ました(この検証はそのまま別の記事にしています)。平均値の電卓なら「資産は減りません」で終わっていた話です。確率で見たからこそ、「もう少し働く」「取り崩しを抑える」といった打ち手の効果まで、数字で比べられるようになりました。

このブログの検証記事は、どれもこのアプリと同じ計算エンジンで実際に回した結果です。自分が不安だったから作った道具が、そのまま記事の土台になっている、という感じです。

使ってみてください

シンプルFIRE計画 は登録不要・無料で、データはブラウザ内にのみ保存されます。「平均で○年」ではなく「何%の確率で」を、ぜひご自身の数字で確かめてみてください。


本記事およびアプリは情報提供を目的としたものであり、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

筆者:yokafolio(30代・FIREを目指して積立中)。「余白のある人生」をテーマに、シンプルな家計・資産ツールを作っています。

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