ミニマリストより「オプティマリスト」——厳選したものに囲まれて暮らす

「ミニマリスト」という言葉には、どこか修行めいた響きがあります。持ちものを数える、床にものを置かない、とにかく減らす——あの徹底ぶりに憧れつつ、「そこまでは……」と感じる方も多いのではないでしょうか。

私たちが目指しているのは、少し違う姿です。最少(ミニマル)ではなく、最適(オプティマル)。持ちものも、住まいの広さも、趣味も、「一番少ない」を競うのではなく「自分にとってちょうどいい」を探す。この考え方は オプティマリスト(最適主義) と呼ばれることがあります。今日はこの「最適」の話です。

減らして分かった、快適さの正体

1DKふたり暮らしの記事でも書いたとおり、わが家はものが少なめです。ただ、振り返ってみると快適になったのは「減らしたから」ではありませんでした。正確には、残ったものが全部「選ばれたもの」になったからです。

減らすことは目的ではなく、厳選するための手段なのだと思います。100個の「なんとなく」に囲まれるより、30個の「これがいい」に囲まれるほうが、生活の一場面ごとの満足度が上がる。ものを減らして得られるのは空間だけでなく、この「選ばれたものだけに囲まれている」という静かな満足感でした。

そして最適である以上、増やす判断も含まれます。わが家にも、機能からすると明らかに過剰な道具がいくつかあります。毎日使うもの、時間を生んでくれるもの、単純に好きで仕方ないもの。そこは削らない。全部を減らすのではなく、削るところは徹底的に削って、残すところに集中する——配分の問題です。

趣味も「最適化」できる——月額×12ヶ月×25倍の物差し

この考え方は、ものだけでなく趣味にも使えます。ここでFIREブログらしい物差しをひとつ。

4%ルールの逆算(25倍則)を使うと、趣味の月額費用 × 12ヶ月 × 25 = その趣味を運用資産の取り崩しだけで一生続けるために必要な資産 が計算できます。

趣味の月額 一生続けるために必要な資産
月3,000円 90万円
月1万円 300万円
月3万円 900万円
月5万円 1,500万円
その趣味を「一生分」持つために必要な資産(25倍則による換算)
月3,000円の趣味散歩・図書館・自炊など90万円
月1万円の趣味300万円
月3万円の趣味900万円
月5万円の趣味1,500万円

月額 × 12ヶ月 × 25倍で計算。生活費と同様、趣味の費用も「必要資産」に換算できます。

月3万円の趣味をFIRE後も続けるなら、そのために 資産900万円 を余分に用意することになります。逆に、月3,000円で心から楽しめる趣味は、たった90万円で「一生分」です。

誤解のないように——高い趣味が悪いという話ではありません。900万円の価値がある趣味なら、それは素晴らしい投資です。問題なのは「なんとなく続けている月1万円」のほう。ものと同じで、趣味も数を絞って「これがいい」と言えるものに集中すると、支出と満足の両方が最適化されます。

ちなみに、燃費の良い趣味は意外と豊かです。散歩、図書館、自炊の研究、公園でのトレーニング、無料のWebツールで何かを作ること(私はこれが趣味になりました)。「お金をかけた分だけ楽しい」わけではないことは、趣味をいくつか手放してみると実感できます。

「余白」は空白ではない

このブログの屋号は「yohakulab(余白ラボ)」といいます。余白という言葉を選んだのは、それが「何もない空白」ではないからです。

書道や絵画の余白がそうであるように、余白は 主役を引き立てるために、意図して残された空間 です。暮らしも同じで——

FIREも突き詰めれば「人生に時間の余白を作るプロジェクト」です。そして今回見てきたとおり、ものと趣味の最適化は、快適さを上げながら必要資産を下げてくれる。余白のある暮らしは、それ自体がFIREへの近道でもあるわけです。

まとめ

自分の生活費で「最適な暮らしの必要資産」を計算してみたい方は、シンプルFIRE計画をどうぞ。登録不要・無料で使えます。

前提と注意点


筆者:yokafolio(30代・FIREを目指して積立中)。「余白のある人生」をテーマに、シンプルな家計・資産ツールを作っています。

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